[生みの/産みの苦しみ]
〈連〉 出産のときの苦しみ. ∥ 物事を作り出すときの苦しみ.
三省堂ウェブディクショナリーより引用
今,エスパルスはまさに「産みの苦しみ」の最中なのです。
どうせ今年は降格ないんだし,開幕3連敗くらい楽しんでやるつもりでいましょうやワッハッハー!!!
(´・ω・`)
今日のテーマは「スペースの作り方・使い方」です!
1.今年のエスパルスの基本戦略
シーズン中断中の練習試合(ジュビロ戦,MYFC戦etc.)はさておき,今年のエスパルスの基本フォーメーションはWGを大外に張らせる4-2-1-3です。
この布陣のポイントは(語り尽くされていることだけど)偽サイドバックの導入による数的優位の創出とハーフスペースの活用です。
SBが一つ内側のレーンに入ることで,フィールドの中央で数的優位な状況で細かいパス回しができます。
また,相手のプレスに遭っても,大外に両WGが常に張っていますので,パスの逃げ道が確保されているだけでなく,WGが相手SBを引っ張り出すことで裏にスペースを作り出すことができます。
例えば第2節・名古屋戦,前半28'25''~のシーンは,ゴールにこそ繋がらなかったものの,このシステムの強みが良く出たものでした(ってかマジでニーニョの獲得はピンポイントすぎて素晴らしいとしか言いようがない)。
ゆーご君には,
①ニーニョに当てる
②カルリーニョスに当てる
③キャプテン竹内に当てる
の3本の選択肢が与えられています。そして,相手FWが縦を切りにかかっていることを見て,
③キャプテンに当てる
ことを選択します。
ちなみに,これ去年の篠田式4-2-3-1だったら,竹内君がニーニョの位置にいて,左SBが大外に張りカルリーニョスの位置にいたでしょうから,もう一方のボランチが左に寄せない限り,単純にパスの選択肢が1本減ってただろうと思います。
竹内君がボールを持った瞬間,ニーニョはそのままポジションを上げます。
そして,竹内君は,しばらくボールキープして敵FWを自分に引き付けてから,再度ゆーご君にボールを預け直します。
はい,裏抜け成功です。
カルリーニョスが外に張ることで空いたハーフスペースに誰かが飛び込めばチャンスになる。そこに飛び込むべき偽SBのニーニョがちゃんと飛び込んだ。
そりゃチャンスになりますわ。
結果的にカルリーニョスのシュートは決まりませんでしたが,とてもキレイな崩しだったと思います。
ところで,偽SBの発案者にして天下の名将・グアルディオラの用いる偽SBや,ボステコグルーのマリノスと違い,モフ将率いるエスパルスの偽SBではボランチが最終ラインに吸収されて3バックを形成しません。
ここには,「できるだけ多くの選手をパス回しに絡ませて攻撃を組み立てたい!」というモフ将の意図があるように思います。その意図に沿うかのように,ダブルボランチ・両SB・トップ下の5枚には上下左右自由に動く権利が与えられています(たまにトップ下の後藤が最終ライン近くまでボールを貰いに来るのにはビックリさせられます(笑))。
このように,今年のエスパルスの基本戦略は,
中盤の枚数を増やしてフィールド中央で数的優位を維持しながらパスを回しつつ前進しつつ,WGをサイドに張らせて産まれたスペースを使ってゴールに迫っていく
というものになっているように伺えます。
2.エスパルスの攻撃が奏功しない理由のうちの1つは……
偽SBとワイドに開いたWGにより生まれたスペースで,エスパルスの攻撃は途方もない強さを得た……と,思うじゃん?www今シーズンのエスパルスの2得点はいずれも「高い位置で相手のボールを奪ってからのショートカウンター」です。
……去年と変わらんね(´・ω・`)
その原因はいくつかありますが,今日は「スペース」の作り方・使い方に焦点を絞って見ていきましょう。
偽SBを導入し,中盤の枚数を分厚くし,パスコースを増やし,WGを外に張らせてスペースを作り出そうとする。ここまでは良い。
問題は,その後なんですよね。
例えば,攻めあぐねている感あった名古屋戦の後半。
この後ニーニョは裏のスペース使わず足元に収めてしまったため,中に絞ってきた健太に預けざるを得ませんでした。
例えば第3節・セレッソ戦の前半。
健太が外に張りながらやや降りてくることでスペースを生むことに成功しました。ここにワンタッチでパス出せば,六平が走りこんでチャンスにできた可能性が高いです。
また,六平が縦に走れば,それにCBが釣られるので,ティーラシンに前のスペースを空けてあげることができます。あとはムイの世界。
ですが,健太はワントラップしてボールキープする姿勢を出したため,六平は立ち止まらざるを得ず,相手CBに寄せられ裏のスペースを消されてしまいました。
この戦術のキモは,「いかにスペースを作ってチャンスに繋げるか」なので,スペースを作るだけじゃダメで,そのスペースを使えないといけない。
で,そのスペースの使い方というのは,時間をかけて連携を強化することが絶対不可欠。
『ここにスペースを作ったらアイツが入ってくる,そうすると相手DFがこう動くからまたあそこにスペースができて,そうすると……』という思考実験を延々繰り返しながら動くサッカーなのですから。
それと偽SBのハーフスペースの使い方ですね。せっかくハーフスペースに飛び込める位置にいるようにデザインされているんですから,チームとして上手く使えるようにしたいですね。
3.時間がかかるのは分かってる
「せっかく作ったスペースを使えない」問題以外にも,
「パス回しで相手を釣り出してスペースを作るということができない」問題
とか,
「中盤3枚の組み合わせ」問題
「スピードスターなウインガーがいないじゃねぇか」問題
それも錬度の向上により解決されることでしょう(願望)
結局,我々しみサポに求められているのは「我慢」であるということですよ!
新しいことに挑戦する,しかもスペースを作りつつそのスペースを利用するという高いサッカーIQが求められる作業をする,というのは,そう易々と慣れるものではありません。
しかもなんだかんだ超☆過密日程でスタメン固定なんかしてられないターンオーバーしまくりの総力戦が求められるわけで,尚更浸透に時間がかかるでしょうよ。
俺はオレンジ戦士たちを信じる,ただそれだけです。
\ガンバ戦は勝って連敗を止めようぜ,エスパルス!/
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