【C97大反省会】インバウンドマーケティングと英語アレルギー

冬コミ2019にご参加の皆様,お疲れ様でしたーーー!!!


今年の冬コミは,1日目は企業側でCUE!列がなんかすごいことになったり,2日目はコミケ準備会(スタッフ)と参加者の間でなんか色々あったり,3日目雨が降ったり,4日目には記録的な暖かさで「冬コミとは…?」感が出たりするなど,怒涛と激動の2019年を締め括るのに(色々な意味で)相応しいものとなりましたね。

4回連続4回目のサークル参加を果たした弊サークル「にごうひめん!」ですが,皆様のおかげで新刊が


完 ☆ 売

になりました!!!m(_ _)m

いつもお求めいただいている顔馴染みの皆様,ふと足を止めてお求めいただいた皆様,最高に可愛いイラストを描いていただいた藤山はるいち先生(@hfzz)のお力添えのおかげです。本当にありがとうございました。

さて,冬コミも終わったことですし,今回の弊サークルが行った「ちょっとした実験」の目的と結果について振り返るとともに分析を加えてみようと思います。
意識高めに言えば,PDCA回そうZE☆ってことですよ(多分)

結論から先に言えば……

・ インバウンドへリーチするの難しいンゴ……
・ 日本人の英語アレルギー根深すぎンゴ……
・ ヲタクが一人で海外向けにコンテンツ布教するの辛すぎンゴ……

です(笑)

P:余は如何にして英語本を出すに至りし乎

弊サークルでは,C94で始めてサークル参加してから,一貫して「温泉むすめ×温泉法学」をネタに薄い本を出し続けて参りました。

C94では「温泉権の基本」を。


C95では「掘削許可と裁量権」と「入湯税」を。


C96では「温泉権の対抗要件」を。

そしてC97で何を出そうかと考えていたのですが,今年の下半期は副業(世間的には本業)が思ったより忙しく,書こうと思っていたネタについての調査が未了のまま12月を迎えてしまいました(忙しさにかまけて本業を疎かにした罰ですねわかります)。

でも「新刊落ちました」とは言いたくなかったんですよね。
先人も言いました。「落としそうになってもとにかく出せ!」と。

じゃあ新刊出すとして何が書けるだろう?
そう考えた時に,一つのアイディアが降ってきました。
それが「英語で本を書く」というものでした。


温泉むすめさんが今年の11月から英語で発信し始めたのにも影響を受けています。
※てかこのアカウントの中の人誰がやっているんやちょいちょい英語が不自然なんやけど何ならワイがやろうk(銃声)

英語でなら既存ネタの使いまわしになっても新しい本が書ける!という目論見もありましたが,個人的にはこれを機に「実験」してみようという気になったのが大きいです。

というのも,前掲C97宣伝記事でも書いたんですが,弊サークルが配置される『アニメ(その他)』の中でも所謂『評論島』と呼ばれるちょっとディープ目なエリアであっても,外国人観光客の方々が何人もブラついているんですよね。

勿論,買っていく観光客はそれほど多くないですし,弊サークルで立ち読みしてもらったこともありません。多くの観光客は他の島へ行く「通り道」として評論島の前を歩いているに過ぎないのでしょう。

それでも,英語で発信すれば手に取ってもらえるかも……
手に取ってもらえれば,温泉と温泉むすめのことを知ってもらえるかも……

そういう期待を抱いて,今回は「はじめて温泉むすめに触れる外国人観光客」に向けて書いてみました。
他方で,いつもお求め頂ける皆様にも読んでもらえるように(英文契約書のような)難しい表現は避けるよう努めました。
我ながら結構良い本ができた!そう自負できる一冊ができましたウフフ

評論島を通る外国人観光客の目にも止まるよう,お品書きは英語で書いてみました。

ついでに英語で宣伝ツイートを投下することに。ハッシュタグも外国の方々が検索するのに使っている(と思われる)タグをちょちょっと調べて付けてみました。

ギリギリで自分ができることはこんなもんでしょう!というところまでやって,当日を迎えました。
さぁ,外国人観光客の方々へワイ職の薄い本はリーチできるのか!?
日本語話者の皆様にも受け入れられるのか!?

その結果は……

D:スルーする外国人,そっ閉じする日本人

完売をさせていただけたので,「ダメだった」というわけではありませんでした。
ただ,「外国人観光客の皆様に手に取っていただく」という目標について言えば,

目標未達

と言うほかない結果でした不動産屋だったら鬼詰めされてるgkbr

今回も,アニメ評論島周辺を多くの外国人観光客が通っていました。
ワイ職の目算で恐縮ですが,だいたい20分に3~4人のペースで目の前を通って行ったので,弊サークルが撤収するまでの間に少なくとも50人ほどの観光客が通った計算になります。

誰も手に取っていただけませんでした。
立ち読みもしていっていただけませんでした。
どこか別のサークルに行く「通り道」になっただけでした。

正直,悔しいですね。
勿論,ウチのサークルは内容が内容なのでニッチな層向けではありますが,興味本位でもいいので手に取っていただきたかった。
やっぱエロか!エロくないからダメなのか!!!
NOBITA-SANのHENTAI!!!(←


悔しさがある一方で,今回はいつもであれば見れなかった面白い光景が見れました。

『アニメ評論島』って,どのサークルも大体ディープなんですよ。どいつもこいつも濃いんですよ。
それが分かっているから,評論島を回る人たちって,「俺の知らない何か面白そうなこと」を求めているんです。要は知的好奇心をそそる何かを求めているんですね。

実際,今までも「温泉むすめは知らないし,そもそもアニメもあまり観ない。けど,法律には興味ある。」という方が多く,そういう方に手に取っていただいて参りました。
サークル参加をきっかけに全く温泉むすめ関係ない人とも繋がることができました。
僕も,そういう方々の知的好奇心をくすぐりつつ,温泉むすめに興味をもってもらえるような本作りをC95('18冬コミ)からしてきました。

そういう「知的好奇心のかたまり」のような方々の反応が,今回は露骨に違いました。

【今まで】
参加者「立ち読み,良いですか?」
ワイ職「はい,どうぞ」
参「(パラパラパラ~)」
ワ「温泉むすめ,ご存知なんですか?」
参「いや,全然。でも温泉法学ってことでどんなもんかと思って」
ワ「あ~そうなんですね!温泉と法律って面白いんですよー!」
参「ええ,面白そうですね。1部ください。」
ワ「ありがとうございます!」

【今回】
参加者「立ち読み,良いですか?」
ワイ職「はい,どうぞ」
参「(パラパラパラ~)げっ…」
ワ「?」
参「(そっ閉じ)アリガトウゴザイマシター」
ワ「あ,ありがとうございました~」


おまいら,そんなに英語が嫌いか!!!


いやぁ~,ここまで日本人の英語アレルギーが強いとは思わなかった(笑)
本を開いた瞬間の露骨な「うわっ,やべぇ本を開いてしまった」という顔よ!
そして"そっ閉じ"するスピード速いなオイΣ(゚Д゚)!エッチな動画見てる最中に親が部屋に入ってきた時に繰り出される「Windows+D」並に早かったぞ(笑)

途中から,参加者の方が新刊を手に取って開く前に「今回は全編英語で書いてみちゃってですねぇ~💦」と注意を入れてからは参加者と多少のコミュニケーションを取ることができましたが,そうすると今度は……


参加者「全編英語……ですか……」
ワイ職「そうなんですよ~ちょっと遊びすぎちゃいましたかねwww 普段はこういう活動やってるんですよ~(既刊を見せる)」
参「あ,そうなんですね~!」
ワ「温泉むすめってコンテンツがあって,その娘たちと一緒に法律を勉強しませんか?というテーマで活動してます~」
参「じゃあ既刊だけください」
ワ「え!?あ,ありがとうございます~」


何故か夏コミで出した既刊が売れる!!!


いや既刊が完売することは嬉しいんですよ(夏はちょっと需給を読み違えちゃったので…)!?
でも,「日本語が書いてあるから既刊買う」と言われるのもちょっと……ねぇ?(笑)

勿論,そういう人ばかりではなく,「こういう試みも面白い」と思ってくださった方々が多かったのと,単純に表紙が強いのとで,完売させていただきました。
ただ,ちょっと日本語話者のこの反応は予想外かつ興味深いもので,ワイ職個人としては大変面白く感じております。

C:リーチ不足とインバウンドマーケの難しさ

今回の目標未達の原因は,個人でいえば「宣伝不足」ということになります。

弊サークルでは,参加者に対する"呼び込み"を一切していません。これは,僕自身が"呼び込み"されるのが好きではないからです。
個人的にコミケって,自分の感性に合う本と出会いに行く場なので,"呼び込み"とかされずに勝手気ままに見て歩きたいんですよね。それに,"呼び込み"を無視するのも罪悪感がないわけでもないし。
そういうわけで,今回の冬コミでも,弊サークルは"呼び込み"を一切していません。

ただ,「外国人観光客に手に取ってほしい」という目標との兼ね合いでは,"呼び込み"をすべきだったのかもしれません。
声かけをして,コミュニケーション取って,温泉むすめを知ってもらう。そういう行動を僕はできる。できるなら,やるべきだった。
これは弊サークルのポリシーとは反するものですが,再検討する必要があるのかもしれません。

他方で,こういう疑問も出てきます;外国人観光客はどういう経緯で目当てのサークルを見つけ,薄い本を買っているの?

企業ブースがある青海展示場ではなく,わざわざ南ホールまで来て,お目当ての本を見つけて買っているんですよ。
でも壁サーやシャッター前のような「長蛇の列が予想される人気サークル」が英語で宣伝しているのを見かけたことはありません。
つまり,彼ら彼女ら外国人観光客は,自分の推しコンテンツ(アニメなり絵師本人なり)であれば,自らの手で日本語を解読してでも情報を収集しているんです。考えてみれば当たり前の話ですけど。

では「温泉むすめ」というコンテンツはどうか。

上述した弊サークルの英語宣伝ツイートが外国の方のものと思われるアカウントにふぁぼリツされたのは,コミケ1日目が終了してからでした。
前掲の温泉むすめ英語アカウントのフォロワーに外国の方はどれほどいるのでしょうか。
4chanに温むすのスレは立っているのでしょうか(ワイ職が検索した限りでは立っていませんでした)。

推しコンテンツが,まだ「わざわざ日本まで来て薄い本を買いに行きたい」コンテンツではないという現実は,コンテンツが始まってから3年しか経っていないので当たり前なのかもしれません。
ですが,観光庁から後援を受け観光庁及び日本政府観光局(JNTO)実施の訪日誘客プロモーション「Your Japan 2020」に参加決定したコンテンツがこのままで良いはずがありません。

A:温泉むすめを盛り上げていくために,今自分にできること

温泉むすめの運営側は,アニメ化を準備しているかのような動きを見せています。少なくとも僕にはそう見受けられます。
アニメ化は,国内だけでなく,外国の方へリーチするのに最も効果が高い方法です。アニメが放送されれば4chanでも話題になります。話題になれば温泉地に来てもらえるかもしれません。

ということは,温泉むすめがインバウンド拡大に貢献できるコンテンツに進化するためには,アニメ化が不可欠ということです。
とはいえ,ただアニメ化するだけではダメで(空気アニメなんかになっては意味がない),国内での人気が一定程度出ることがインバウンドへのリーチには不可欠です。

であれば,一ファンにすぎない僕ができることとは,アニメ化が決定し,放映後も人気が出るよう,国内向けに温泉むすめを発信することだと思うんです。


そういう「温泉むすめを広める活動」が,弊サークルのフィロソフィーなんだと気づけたのが,今回の冬コミの成果かな,なんて思うのでした。

5月の夏(春?)コミまで時間はありません。
次回は今まで出した本をまとめつつ,今回出せなかったネタを出した「総集編」を出すつもりです。
この本でささやかながら温泉むすめを盛り上げられるよう,頑張っていこうと思います。
引き続き皆様にはご愛顧賜りますよう伏してお願い申し上げます。


というわけで!


今年一年大変お世話になりました!
よいお年をお迎えください!

0 件のコメント :

コメントを投稿